基本要件・位相歪、群遅延と試聴テスト


 前頁「オーディオシステム基本要件と位相特性」に記載した、位相歪、群遅延時間と音質について試聴実 験する。

 実際音を聞くには電気信号系+音響信号系になるがまずは条件が簡単な電気信号系で位相歪と群遅延を加えて比較する。


サンプル音源ファイル作成


 実際に位相歪と群遅延が起こるのは主にSPとチャンネルデバイダー。そこで瞬時に切り替えて比較でき るように、チャンネルデバイダーの低域、中域、高域を加算回路により加算しその出力を録音し、特性の異なるサンプル音源 ファイルを作成する。

 

   具体的には下記の比較1~3の各特性を通過させて録音した音源ファイルを、比較1~3の順番に並べて

「試聴用サンプルファイル」を作成し聞き比べ差が判別できるか調べる。

サンプル1 サンプル2 サンプル3
6dB/oct Butterworth 12dB/oct Linkwitz-Riley 48dB/oct  Linkwitz-Riley
300Hz群遅延時間:0ms 群遅延時間:0.8ms 群遅延時間:4.7ms
6dB/o Butt 12dB/o L=R 48dB/o L-R
6dB/o グループディレイ 12dB/o グループディレイ 48dB/o グループディレイ
伝達関数[1]で原音どおり
周波数特性調整の為
中域 -1dB
位相が変化、
中域は逆接続
位相が大きく変化
群遅延時間は
許容値の線上

 サンプル1 以外は位相歪があるのでその他のインパルス応答、ステップ応答、も 当然変化します。

「チャンデバ:周波数、位相特性」「チャンデバ:矩形波、群遅延」のページを参照 ください)


試聴用サンプル音源ファイル


 下記サンプルファイル(WAVファイル:CDフォーマット)をダウンロードし、Windows Media Player などで繰り返し再生し、音色や定位などに差が聞き取れるかテストする。

 試聴は、ヘッドホーン、フルレンジシングルコーンSP、マルチSPシステムなどで聞き比べる。

swan 6,12,48 dB piano 6,12,48 dB jazz 6,12,48 dB ballet 6,12,48 dB
wav  9.7MB wav  8.1MB wav  7.5MB wav  4.1MB
(WAVファイル) (WAVファイル) (WAVファイル) (WAVファイル)

*「WAVファイル」のダウンロード又は再生は

jimdofree.com でサポートされなくなったので検討中

 ヘッドホーン試聴テストでは差を聞き取ることは出来無かった。SPシステムで再度試聴予定。

 取りあえずこの時点で:「周波数特性が同一で、群遅延時間が許容できる範囲より小さければ、位相歪と音色(音質)は関係ない」はかな り確からしい。

 

群遅延時間が許容値より大きくなった時音質にどのような変化があるかは未確認 。


参考:サブウーハー使用 群遅延特


 上記実験は標準的な3Wayとしてクロスオーバー周波数を300Hz,3000Hz程度を想 定したものですが、 サブウーハーなどで使用する場合はクロスオーバー周波数75Hz程度でフィルター特性と群遅延時間は下図のようにな りこれ に SPの群遅延時間を加えても「CCIRの勧告75Hzで24ms」を超えるこが無いように注意が必要でしょう。

フィルター特性と群遅延時間

クロスオーバー周波数:75Hz での群遅延時間

クロスオーバー周波数

75Hz での群遅延時間

 

6/6dBoct:1ms

 

12/12dB/oct:3ms

 

24/24dB/oct:7ms

 

48/48dB/oct:17ms 


*3. 2012 .03 .02 :修正 

*2.2012・01・27 :オーディオファイル雑音混入の為更新、追加、変更。群遅延特性追加 

*1.2012・01・17 :新規作成